目の下のクマ・たるみ取り治療「経結膜脱脂」は外科治療、メスを入れる前に欠かせないのが麻酔です。経結膜脱脂に使われる麻酔は主に4種類あります。それぞれの特徴や料金について解説し、麻酔使用に際しての注意点や安心して治療を受けるためのポイントをお伝えします。
経結膜脱脂は、目の下の膨らみ、たるみ、クマの原因となる眼窩脂肪を取り除き、たるみを解消する治療法「下眼瞼脱脂」の術式のひとつです。患部に局所麻酔の注射を行った後、下まぶたの裏側の粘膜部分(結膜)を切り開き、突出している眼窩脂肪を適量取り出し(脱脂)ます。傷は自然に塞がるため、縫合・抜糸は不要です。
経結膜脱脂で痛みを感じるのは、術前に局所麻酔の注射針を刺すときのチクリとした痛みと術後に麻酔が切れた後に起こる鈍痛です。いずれも耐えられないほどの痛みではありませんが、感じ方には個人差があるため、補助麻酔や痛み止め内服薬の用意もあります。術中は麻酔が効いているため痛みはありません。
経結膜脱脂で用いられる麻酔には、クリニックの方針により「注射による浸潤麻酔」をはじめ、「注射によるブロック麻酔」「点眼麻酔」「局所麻酔の恐怖や痛みを和らげる笑気麻酔や静脈麻酔」の主に4種類があります。
ブロック麻酔とは、末梢神経ブロック、ブロック注射とも呼ばれ、患部から少し離れた神経の根元に麻酔を注入することで、痛みが脊髄に入る前にブロックして無痛にする麻酔です。浸潤麻酔よりも筋肉の奥深いところに注入します。注入治療などを行う場合、患部に直接注射する浸潤麻酔(局所麻酔)だと患部が膨れてしまい、デザインがわからなくなってしまうため、ブロック注射が用いられます。
浸潤麻酔はごく狭い範囲の手術に用いる麻酔で、皮下の浅いところに注入します。経結膜脱脂では、結膜の内側に麻酔液を注入し、無痛にします。針を刺すときにチクリとした痛みがありますが、細い針を使うことで痛みを軽減することができます。
点眼麻酔とは、目薬のように点眼することで目の表面を麻酔する麻酔です。針を使わないので、まぶたを傷つけないため痛みはありませんが、多少沁みることがあります。10~20秒ほどで麻酔の効果があらわれた後、注射による浸潤麻酔を行います。点眼麻酔は、主に目に直接器具が触れる場合や炎症などで眼が開きづらい場合に用いられます。
笑気麻酔・静脈麻酔は、局所麻酔による注射の痛みや恐怖を緩和するための補助麻酔として、局所麻酔注射の前に用いられる麻酔です。
・笑気麻酔:弱い鎮静作用を持つ麻酔です。マスクから笑気ガスを吸入するとお酒を飲んで酔っ払ったようなふわふわした気分になり痛みを感じにくくなります。麻酔の効きも消失も早いのが特徴です。
・静脈麻酔:静脈から眠る薬を点滴で流す麻酔で、即効性があります。静脈麻酔の効果で眠ってから局所麻酔注射・手術を行います。
美容医療は自由診療のため、麻酔の料金は全額自己負担となります。料金体系はクリニックにより異なるため、麻酔薬や針の費用が治療代に含まれている場合もあれば、別料金のこともあります。針代は種類により1本数千円~、表面麻酔クリームや笑気麻酔はそれぞれ数千円~、静脈麻酔は数万円~が目安となります。なお、イセアクリニックでは治療に必要な局所麻酔の針代・麻酔代はあらかじめ料金に含まれており、補助麻酔をご希望の場合は、別途3,300円(税込)で笑気麻酔をご利用いただけます。
持病がある場合、以前に麻酔でアレルギーを生じた場合、麻酔がかかりにくいなどの経験がありましたら、術前の診察でお申し出ください。
静脈麻酔を利用する場合は、嘔吐予防のために術前の食事制限があります。術後に眠気やふらつきが残ることがありますので、術後の運転は避けてください。
施術中も声をかけながら治療を行うので、不安があればお声がけください。
安心して経結膜脱脂を受けるためのポイントとして、「納得するまでカウンセリングを受けること」「余計な治療をしないこと」「実績のあるクリニックを選ぶこと」が挙げられます。
まずは、ご自身にとって最適な治療法や麻酔の選択についてカウンセリングで相談してみましょう。クリニックにより治療方針や麻酔の種類、料金体系などは異なります。比較し納得したうえで、治療に臨みましょう。
イセアクリニックでは行いませんが、他院で推奨されている「追加の脂肪注入」などの余計な治療を行うと、腹部や太ももなど、脂肪を採取する部位に傷やダウンタイムが生じ、身体的負担も費用も増してしまいます。適量の脂肪を取り除く技術があれば不要な治療です。
下眼瞼脱脂の治療方針や取り扱う麻酔の種類はクリニックにより異なり、仕上がりは医師の技術に左右されます。出血を抑えて理想のデザイン通りに適量の眼窩脂肪を取り出すには高い技術が求められます。事前にクリニックのホームページに掲載されている医師の経歴、症例写真の仕上がりのレベル、余計な治療を行っていないかなどを確認しておきましょう。口コミなども参考にしながら、納得できるクリニックや医師を選びましょう。
経結膜脱脂の麻酔に関するよくある質問にお答えします。
答え
麻酔の感じ方や効き方には個人差があります。例えば笑気麻酔は、術後に悪心・嘔吐といった不快症が現れることも稀にありますが、酸素の濃度が高いため、心臓や脳の働きを正常に保つことができる安全な麻酔です。
答え
麻酔をしても大丈夫かどうかは診察で判断いたしますので、まずはご相談ください。
答え
麻酔が効きにくい方は途中で切れてしまう可能性があるので、状況に応じ、その場ですぐに麻酔を足します。麻酔の量は医師が調整しますが、痛みや不安があれば術中に話をすることも可能ですのでお伝えください。
この記事では以下のことについてご説明しました。
・経結膜脱脂とは
・経結膜脱脂術で痛いのは麻酔と術後
・経結膜脱脂の麻酔は主に4種類
・麻酔の料金
・麻酔を使用する上での注意点
・安心して経結膜脱脂を受けるには
経結膜脱脂とは、目の下の膨らんだ脂肪、たるみ、黒クマを取る治療法です。経結膜脱脂で痛いのは、局所麻酔注射の針を刺す瞬間と麻酔が切れた後に起こる鈍痛です。使用される麻酔の種類は主に「注射によるブロック麻酔」「点眼麻酔」「局所麻酔の恐怖や痛みを和らげる笑気麻酔や静脈麻酔」の4種類です。美容医療は自由診療で料金体系はクリニックにより異なります。静脈麻酔を使用する場合、術前は嘔吐予防で食事制限があることと、術後は眠気やふらつき防止のため運転はせぬようご注意ください。持病などで麻酔への不安があれば、術前にお申し出ください。