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下眼瞼脱脂術後の制限すべき行動のひとつに「マッサージ」があります。術後のマッサージは、いつから再開できるのでしょうか。術後のマッサージを控えるべき理由や期間、マッサージ以外にも控えるべき行動を、術後の経過や注意点とともに医師が解説します。下眼瞼脱脂に失敗しないためにできることのポイントもお伝えします。
下眼瞼脱脂は下瞼のたるみ・黒クマの原因となる眼窩脂肪を取り除く手術です。下瞼の裏側から切開する経結膜脱脂、下瞼の皮膚側から切開する経皮脱脂の方法があり、たるみの状態により術式を選択します。
瞼の裏側からメスを入れる「経結膜脱脂術」は、見えるところに傷跡が残らず、縫合・抜糸不要で、ダウンタイムも1週間と短く済みます。
眼窩脂肪によるたるみに加え皮膚も高度にたるんでいる場合は、「経皮脱脂術」が適応。術後5~7日目に抜糸が行われ、ダウンタイムは約2週間です。傷跡は1か月ほどで赤みが治まり、半年程度で薄くなります。
ダウンタイム症状は腫れ、痛み、内出血などがあり、不安定な状態を経て、完成までは約3か月です。
下眼瞼脱脂後のマッサージは危険を伴います。
外科手術を行うと必ず傷ができます。傷の修復過程にはダウンタイムがつきもの。傷口は塞がっても、傷の中が再生するまで(創傷治癒過程)は時間がかかります。その間、見た目には腫れや引きつれ等の症状があらわれ、不安定な状態に。ダウンタイムが終わる頃には傷が治ったように見えても回復途中なので、下眼瞼脱脂後にマッサージをすると、傷口が開いたり、傷の治りが悪くなったり、ダウンタイム症状が長引いてしまう可能性があります。特に術後24時間は内出血が出やすい期間です。マッサージはもちろん、力を入れたり顔を下げたり、目を強く閉じることも控えてください。
下眼瞼脱脂後のマッサージは1週間程度お控えください。腫れやむくみを解消するためにマッサージをするのは逆効果です。マッサージをすると運動と同様に血流がよくなるため、ダウンタイム症状が一層強まります。皮膚に圧力をかけることで傷の修復を邪魔したり、体質によっては瘢痕形成の原因となったりすることもあります。
むやみに患部に触れたり、濡らしたり、血流を促すなどの刺激になる行為を控えましょう。控えるべき具体的な行動は以下の通りです。
手術当日は長時間の読書やパソコンの使用など、目が疲れる行為をお控えください。横になるなど「頭を低くして目元に血液が集まる動作」も控え、休む場合は心臓よりも頭を高くするとよいでしょう。
下眼瞼脱脂後の術後の経過と注意点を、順番にお伝えします。
術後に麻酔が切れると、鈍痛があらわれます。耐えられないほどの痛みではありませんが、感じ方には個人差があります。痛みが出た場合は処方の痛み止めを内服すると、日常生活に支障がない程度に落ち着くでしょう。当日は長時間の読書やパソコンの使用など、目が疲れることはお控えください。洗顔・シャワー・洗髪は当日から可能ですが、患部は濡らさないようご注意ください。
手術翌日から入浴、目元を除くメイクが可能です。内出血が目立つ場合はコンシーラーなどでカバーできます。
ダウンタイム症状のピークは数日程度で、痛みも落ち着きます。術後3日間は下瞼に医療用保護テープを貼って過ごしていただきますが、テープを剥がした後も新たにたるみを招かないよう、日焼け止めや保湿クリーム等で目周りを保護しましょう。
目立つ腫れや内出血、異物感は約1週間で治まります。アイメイク・コンタクト・目薬・飲酒・喫煙が可能になります。経皮脱脂の場合、5~7日後の再診時に抜糸を行います。見た目には傷が治ったように見えても、皮膚の中は修復中です。引き続き、注意して過ごしましょう。
下眼瞼脱脂にはメリットもデメリットもあります。
メリットとしては、脂肪細胞の数を減らす処置なので半永久的な効果が得られること。そして、外科手術の中ではダウンタイムやリスクが少なく、術後の通院が少なく、周りにバレにくい、などが挙げられ、さらに「経結膜脱脂」の場合は見えるところに傷ができません。
デメリットとしては、コンタクトの使用など術後の生活に制限がある、たるみの下にある凹みや皮膚によるたるみがあると効果を減ってしまう、もともと脂肪がとても多い方はしわやたるみが増えることがある、血腫、感染、癒着、左右差が残ったり目の下がくぼんだりといったリスクが挙げられます。
下眼瞼脱脂に失敗しないためのポイントは、自分に合った術式を選び余計な治療を行わないこと、実績のあるクリニックで治療を受けること、術後の生活に注意して過ごすことです。
不要な器具・余計な治療はダウンタイムを長引かせます。
高周波メスは熱を加えて止血しながら皮膚を切ることができますが、血管を損傷し傷の治りが悪くなり、瘢痕リスクも上がります。解剖学を熟知した経験豊かな医師ならば、通常のメスで可能な限り出血を抑えながら治療をしたほうがダウンタイムを短く軽くできます。また、眼窩脂肪を採取した後に追加の脂肪注入を行うと「きれいに仕上がる」と言われますが、実は眼窩脂肪除去のみでも十分です。むしろ、太ももなどの脂肪採取部位にダウンタイムが生じ、感染や脂肪壊死、しこりのリスクを伴い、費用も追加されてしまいます。さらに、太ももの脂肪と眼窩脂肪は質が違うので仕上がりが不安定になる傾向があります。技術力があれば、余計な治療は不要です。
下眼瞼脱脂の仕上がりは医師の技術に左右されます。ホームページなどで症例写真が多数あること、仕上がりがきれいなことを確認しましょう。同じメニューであっても取り扱う術式はクリニックによりさまざまです。自分の症状に合った治療が受けられるか、術式に選択の余地はあるか、余計な治療を勧めていないかなども確認し、カウンセリングで納得いくまで説明を受けましょう。
イセアクリニックの下眼瞼脱脂は、経験豊富で技術のある医師が担当致します。状態やご希望に合った適切な術式で、ダウンタイムを最小限にするために高周波メスを使用せず、追加の脂肪注入は行わずとも、きれいに仕上げます。仕上がりは症例写真をご確認ください。気になることは、無料カウンセリングで納得いくまで何度でもご相談いただけます。
ダウンタイム症状は傷の回復過程で起こる正常な反応です。ダウンタイム症状を最小限に抑えるため、医師から指示される術後の過ごし方を徹底しましょう。少しでも疑問があれば自己判断せず、カウンセリングで確認し、スムーズな回復を目指しましょう。
下眼瞼脱脂に関するよくある質問にお答えします。
答え
1週間後から可能です。ただし、完成まで術後3か月は腫れが出るなど不安定な状態が続きます。不安定なときは、顔のマッサージは控えたほうがよいでしょう。
答え
術後の痛みは鈍痛で、感じ方には個人差がありますが、耐えられないほどの痛みではありません。処方の痛み止めを内服していただくことで、日常生活に支障のない程度に抑えることができます。血流がよくなると痛みが増すため、痛みがあるときは保冷剤などで断続的に冷やすのもよいでしょう。術後の生活上の注意を守っていただくことで、症状が必要以上に強くあらわれずに済みます。
答え
傷の治りをスムーズにするために、患部には触らないでください。濡らしたり、からだを温めたり、頭を心臓の位置より低くしたりといった行為はお控えください。その他、医師の指示に従い安全にお過ごしください。
今回は以下の内容についてお伝えしました。
・下眼瞼脱脂とは
・下眼瞼脱脂後にマッサージすると危険な理由
・下眼瞼脱脂後のマッサージはいつまで控えるべき?
・マッサージ以外の控えるべき行動
・下眼瞼脱脂の術後の経過と注意点
・下眼瞼脱脂のメリット・デメリット
・下眼瞼脱脂に失敗しないためには
下眼瞼脱脂とは、目の下のクマ・たるみや黒クマの原因である眼窩脂肪を除去する手術です。下眼瞼脱脂後はマッサージをすると、傷口が開いたり、傷の治りが悪くなったり、痛みや腫れ、内出血などのダウンタイム症状が長引いたりすることに。下眼瞼脱脂術後、1週間はマッサージを控えましょう。同時に、患部に触れたり、濡らしたり、血流を促す行為も避けて過ごしましょう。下眼瞼脱脂は外科手術なので、多少のダウンタイムはありますが比較的短く済み、半永久的な効果が得られます。経結膜脱脂術ならば見えるところに傷もできません。失敗を避けるために、自分に合った術式を選び、余計な治療を行わない実績のあるクリニックで治療を受け、マッサージの時期など生活上の注意を守り術後を過ごしましょう。