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  • 経結膜脱脂の痛みは耐えられないほど強い?

    投稿日:
    2021/08/31
    痛み 経結膜脱脂
    酒井 新介医師
    著者
    東京イセアクリニック
    日本形成外科学会 認定専門医
    技術指導医
    酒井 新介

    Shere

    外科治療には必ず痛みや腫れが伴いますが、経結膜脱脂の痛みはどの程度なのでしょうか。経結膜脱脂の概要、手術の段階ごとの痛みやその痛みを和らげる方法、痛みが苦手な人のためのクリニック選びのポイントについて解説します。

    経結膜脱脂とは

    経結膜脱脂は、目の下の膨らみ、たるみ、クマの原因となる眼窩脂肪を取り除き、たるみを解消する治療法「下眼瞼脱脂」の術式のひとつです。患部に局所麻酔の注射を行い、下まぶたの裏側の粘膜部分(結膜)を2cmほど切り開き、突出している眼窩脂肪を適量取り出し(脱脂)ます。傷は自然に塞がり縫合や抜糸は不要です。ダウンタイム期間は1~2週間で、その間痛みや腫れ、内出血があります。完成までは3か月程度です。

    経結膜脱脂で痛みを感じるタイミング

    経結膜脱脂で痛みを感じるタイミングと、痛みの程度や対処法についてご説明します。

    術前(麻酔)

    手術は局所麻酔で行います。まず、麻酔薬を注射で眼窩下神経へブロック麻酔を行います。顔面の上半分の感覚が鈍くなった状態で下まぶたの裏に直接局所麻酔を注入します。局所麻酔の注射には2つの痛みがあります。1つは注射の針が刺さる痛みです。なるべく痛みを抑えるためかなり細いものを用います。2つ目は麻酔薬が注入されるやや重い痛みです。どちらも耐えられないほどのものではありませんが、注射に対する不安が強い方や痛みに弱い方などご希望があれば、吸い込むタイプの「笑気麻酔」をご利用いただけます。局所麻酔前だけでも使用可能ですし、手術中ずっと吸って頂くことも可能です。ふわふわとしたお酒を飲んだような感覚になり、緊張と痛みが減ります。更に不安が強い方には、静脈麻酔で眠った状態で治療を行う場合もありますが、やや体への負担がありますので施術後にご帰宅まで経過観察の時間が必要になります。

    術中

    局所麻酔の場合、術中は意識がありますが、麻酔が効いているため痛みを感じることはありません。ただし、痛み以外の手術操作により引っ張られたり押される感覚はあります。万が一、痛みを感じる場合は、麻酔を追加することも可能です。我慢する必要はございませんので、痛みを感じたらお気軽にお伝えください。

    術後直後

    術後2-3時間より局所麻酔の効果が切れ鈍痛を感じることはありますが、耐えられないほどの痛みではありません。処方される痛み止めを内服していただくことで、日常生活を問題なく送ることができます。しかし、逆に極度の痛みがある場合は正常な経過ではありませんので施術されたクリニックへ一度ご連絡をして下さい。

    術後~数日間

    鈍痛は通常数日で治まります。但し、痛みの感じ方には個人差があるため、稀にお仕事へ支障が出る方もいます。術後の傷回りはデリケートな状態ですので、紫外線や乾燥により腫れや痛みが強く出てしまうことがあります。なるべく3日間は医療用テープで保護したままにしてください。経過にご不安があれば、お気軽にご相談下さい。

    術後1~2週間

    粘膜の腫れにより、1-2週間ほどは異物が入ったような違和感を覚えることがありますが、次第に薄れていきます。

    痛みを和らげる方法

    手術中や手術後の痛みを和らげるには、手術時ならば補助的な麻酔を追加するなど、手術後ならば保冷剤を利用するなどの方法がございます。麻酔の特徴について解説し、具体的な痛み軽減の工夫をご紹介します。

    麻酔には3段階ある

    径結膜脱脂で使用できる麻酔は3種類あります。まず、手術に必ず使用する注射の局所麻酔の他、局所麻酔の注射の痛みを和らげ表面の麻酔、痛みや緊張を和らげ治療をスムーズに行うための補助的な鎮静麻酔の3段階があります。

    ・補助的な表面の麻酔:メインとなる局所麻酔の前に表面麻酔を効かせます。注射の痛みを軽減させることができます。

    ・補助的な鎮静麻酔:局所麻酔の前に使用します。「笑気麻酔」を吸入するとお酒を飲んで酔っ払ったような感覚になります。意識がふわふわとして声が遠くに響くような状態になるので、痛みや恐怖心を緩和することができます。「静脈麻酔」は麻酔薬を静脈から点滴し、眠った状態でメインとなる局所麻酔の注射や手術を行えます。

    ・手術のメインとなる局所麻酔:「局所麻酔」は注射の麻酔です。極細針で感覚を麻痺させたい箇所に打つことにより、痛みの感覚をなくします。切開をする施術、痛みを感じる施術には必ず使用します。経結膜脱脂では、下まぶたの裏に注射します。

    冷却

    術後の回復過程には必ず炎症が起こります。炎症を起こしていると痛みを感じやすいため、保冷剤などで患部を冷やし炎症を鎮めると痛みを緩和できます。連続して冷やしすぎると凍傷を招く恐れがあるため、保冷剤や氷はタオルなどに包んで、断続的に使用しましょう。         

    術後の生活に注意する     

    入浴やシャワー、洗顔、洗髪は当日、飲酒や軽度な運動は1週間後、激しい運動は1か月後から可能ですが、患部を濡らす、繰り返し触るなど刺激を与える行為、目に力を入れてギューッとつぶる、激しい運動や体を温めるなどの行為は、血流が増すため傷の炎症を招き、痛みを増加させるため、避けましょう。

    痛みが心配なら実績が多いクリニックがおすすめ

    痛みが心配な場合は、技術力が高く実績のあるクリニックを選びましょう。例えば、切開するときに電気メスを使うと出血がなく止血の操作が減り手術はより簡便になりますが、熱で粘膜と血管が損傷され、ダウンタイムが長引いたり、傷が盛り上がったりする可能性があります。通常のメスでなるべく出血を抑えながら治療のできる技術を持つ医師がいるクリニックがおすすめです。また、脂肪注入を併用しなくても経結膜脱脂のみで適量の脂肪を摘出しキレイに仕上げることができる技術があれば、感染のリスクを抑え、ダウンタイムを長引かせずに済みます。治療を受ける前に、クリニックのホームページなどで症例実績を確認しておきましょう。

    こちらの症例を詳しく見る

    下眼瞼脱脂に関するよくある質問

    下眼瞼脱脂に関するよくある質問にお答えします。

    笑気麻酔を利用して、変な発言や変な行動をしないか心配です

    多くの方は少しふわふわしたり、少し酔ったような状態になります。なかには稀に大声を出したり笑ったりする方もいらっしゃいます。麻酔の感じ方は人ぞれぞれですが、異常なことではありません。笑気麻酔の適応についてご質問や、ご心配事がございましたらお気軽にご相談ください。

    点眼麻酔は使用しないのですか?

    イセアクリニックの経結膜脱脂では点眼麻酔は使用しません。点眼麻酔は、主に治療器具が眼に直接触れる場合や、炎症などにより痛くて目を開けない場合に用いられます。径結膜脱脂はいずれにも該当しないため、基本的に使用しません。局所麻酔の注射の痛みが不安な方には、吸入式の笑気麻酔もご利用いただけます。

    ダウンタイム中に辛いものを食べても大丈夫でしょうか?

    患部に刺激を与える行為、循環を促進する行為は、ダウンタイムを長引かせます。汗をかくほど辛いものを食べると、顔面の血液循環が促進される可能性があり、ダウンタイム症状を悪化させたり長期化させたりする恐れがあります。

    まとめ

    今回は以下の内容について紹介しました。

    ・経結膜脱脂とは

    ・経結膜脱脂で痛みを感じるタイミング

    ・痛みを和らげる方法

    ・痛みが心配なら実績が多いクリニックがおすすめ

    ・下眼瞼脱脂に関するよくある質問

    経結膜脱脂は下まぶたの裏の粘膜部分にメスを入れ、クマ・たるみの原因となっている眼窩脂肪を摘出する治療法です。他の美容外科手術に比べ、皮膚を切らないため縫合や抜糸もなく、ダウンタイム症状も比較的少ないのが特徴です。治療で痛みを感じるのは、術前の局所麻酔の注射を刺すときと、術後麻酔が切れてから数日間あらわれる鈍痛です。注射が不安な人や痛みに弱い人は、吸入式の笑気麻酔などを利用すると緩和されます。術後の痛みは鎮痛剤を内服することで日常生活に支障のないレベルまで落ち着きます。術後の生活に注意することでも、不要な痛みを避けることができます。痛みやダウンタイムが心配な人ほど、脂肪注入などの余計な治療をしないクリニック、高周波メスを使わないでも出血を抑えられる技術力のある医師がいるクリニックなど、実績を確認して選ぶとよいでしょう。

    About the author
    日本形成外科学会 認定専門医 技術指導医 酒井 新介
    日本形成外科学会 認定専門医
    技術指導医
    酒井 新介
    SAKAI SHINSUKE
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