目次
鼻尖形成の傷跡が目立つ場所に残るかどうかは、術式により異なります。オープン法とクローズ法の傷跡の症例写真を比較し、おすすめの術式とその理由も解説します。傷が目立たなくなる時期、傷が残ってしまったときにできること、失敗しないためのポイントについても紹介します。
鼻尖形成は鼻先をシャープに整える手術です。日本人の鼻は小さく扁平で団子鼻になりやすいという特徴がありますが、欧米人のようにツンとした鼻先にしたい、メリハリのある鼻先にしたいという人におすすめの治療法です。鼻先の皮下軟部組織(Nasal SMAS)を取り除き、鼻先を形作る左右の大鼻翼軟骨を中央に引き寄せることで、鼻先の形を尖らせます。鼻先を高くしたい場合は、耳の軟骨を鼻先に移植する「耳介軟骨移植」と併用することもあります。
鼻尖形成の傷跡は術式により見え方が異なります。クローズ法の傷跡は鼻の穴の内側(粘膜側)を切るため、表から見えません。オープン法は鼻の穴の内側から連続して鼻柱(鼻の穴と穴の間)を切開するため一部表面に傷ができます。よくよく下から覗き込むとわかりますが、下から覗きこまれることは殆どないため全くと言っていいほど目立ちません。耳介軟骨採取後の傷は一直線にできます。傷は耳の裏側の目立たない部位であり、軟骨を取り出すことによる変形もありません。
鼻尖形成の傷跡は、クローズ法であれば見えません。オープン法の鼻柱の傷跡や耳介軟骨採取の傷跡は皮膚表面にできますが、時間の経過とともに薄く目立たなくなります。術後数か月は、傷跡に赤みが出ることがありますが、半年~1年ほどかけて徐々に薄くなり、白く目立たなくなってきます。それまでは、気になる場合はマスクやメイクでカバーするとよいでしょう。
鼻尖形成をオープン法で行った場合の傷跡です。
オープン法は鼻の穴の内側から連続して鼻柱(鼻の穴と穴の間)を切開するため一部表面に傷ができます。
鼻尖形成をクローズド法で行った場合の傷跡です。
クローズ法の傷跡は鼻の穴の内側(粘膜側)のため、表面から見えません。
おすすめの術式は、もともとの鼻の状態やご希望により異なります。
クローズ法は見えるところに傷が残らないのがメリットです。ただし、術野の視野が狭いため、鼻柱の間に支柱を立てたり(コルメラストラット)、鼻柱を前に出したり(鼻柱形成)、鼻尖の位置を回転させたり(鼻尖延長縫合)と軟骨自体の細かな細工が極めて難しいという欠点があります。しかし、術中の形態の確認が容易であるため、クローズ法は、鼻尖縮小(軟骨同士を縫い合わせて細くするだけ)や、単純な耳介軟骨移植(オンレイグラフト)に適しています。鼻の皮膚が厚い場合や軟部組織が多い場合は、十分に軟部組織の除去を行い、しっかりと土台を作成したうえで、多めの軟骨を移植する必要があります。
オープン法はクローズ法に比べ鼻の中がよく見える状態で治療できるため、より細かいデザインへの対応が可能であり、しっかりと効果を出したい場合はおすすめです。傷ができることがデメリットです。
傷跡が残ってしまっても、対処法はあります。平坦な傷跡であれば、コントロールカラーやコンシーラーなどのメイクでカバーすることができます。皮膚の盛り上がりが残った場合やへこみが生じた場合は、凹凸部を切り取ることができます。複数回の手術や感染に伴い、皮膚が菲薄化し、凹みが生じた場合は、脂肪注入を皮下に充填することで、凹みと表面の皮膚の再生を促すことができます。ただし、注入脂肪は時間の経過とともに吸収されてしまうため、繰り返し注入する必要があります。
また、オープン法は現在、鼻柱両端からの短い直線から中央に逆V字型に小さな切り込みを入れる方法が一般的です。これが、一直線状の切開であったり、なだらかなV字型の切開の場合、鼻柱の傷の両端で段差を生じたり、傷自体の拘縮を引き起こしやすいので注意が必要です。
鼻尖形成に失敗しないためのポイントは、やりすぎないこと、術後の生活に注意すること、実績のあるクリニックで施術を受けることです。
術後の鼻は不安定な状態です。術後はテープ固定を行いますので、5~7日後の再診・抜糸まではそのまま剥がさずにおいてください。洗顔やシャワーは当日から可能です。患部は抜糸まで濡らさないようお願いします。メイクは翌日から可能ですが、患部のメイクは抜糸後からとなります。鼻を強くかむのは2週間控えましょう。
完成までは3カ月ですが、半年程度は注意してお過ごしください。血流がよくなることで腫れが強くなる可能性があるため、術後2週間は長時間の入浴や激しい運動は控えましょう。鼻先の形を維持するために、うつぶせ寝や強い圧力をかけることの無いようにお願いします。鼻に負担をかけない生活が、スムーズな傷の回復につながります。
なるべく1回で治療が済むように、カウンセリングで仕上がりイメージを医師と共有して、納得してから治療に臨みましょう。技術が完璧でも、理想と違った仕上がりは満足度を下げてしまい、修正希望となる場合があります。修正手術はオープン法でないと治療が難しい場合が多く、仕上がりに満足できずに何度も治療を繰り返すと、そのぶん傷が硬くなってしまいます。
鼻尖形成で傷跡をなるべく残さないためには、実績のあるクリニックで施術を受けることをおすすめします。仕上がりは医師の技術が左右しますので、クリニック選びの際はホームページで医師の技術力・症例実績等を確認し、カウンセリングで不明な点や気になる点を解消しましょう。
イセアクリニックは形成外科専門医が常駐し、数多くの手術を扱い、教育研究活動を行うなどの条件をクリアし、日本形成外科学会から教関連施設としての認定を受けている実績のあるクリニックです。カウンセリングは医師・カウンセラーともに何度でも無料ですので、十分にご納得いただいてから治療をお受けください。
鼻尖形成に関するよくある質問にお答えします。
答え
鼻尖形成の傷はクローズ法であれば鼻腔内の傷なので、外観上見えません。オープン法では見えるところにできます。抜糸までは、ギプスとテーピングをしている状態ですのでマスクで隠していただき、抜糸後はメイクで隠すと目立ちにくくなります。6か月~1年ほどで白く薄く落ち着いてきます。
答え
マスクをしているので隠れます。抜糸後も、周囲の腫れや内出血はほとんどの場合コンシーラーで隠すことができます。また、見えるところにできた傷もカバーできます。
答え
鼻尖形成術後、抜糸までの間は、ギプスとテーピングをしている状態なのでマスクなどで隠していただくとよいでしょう。治療後の傷は時間の経過とともに薄くなりますが、ほとんどの場合メイクなどでカバーできます。異物を入れる治療ではないため、触れたりレントゲン撮影でばれたりすることはありません。鼻尖形成をやりすぎて鼻先が尖りすぎるなどバランスが崩れると、ばれてしまうこともあるでしょう。
今回は以下の内容について説明しました。
・鼻尖形成とは
・鼻尖形成の傷跡は術式によって違う
・鼻尖形成の傷跡が目立たなくなる時期は?
・オープン法の傷跡の症例写真
・クローズ法の傷跡の症例写真
・オープン法とクローズ法はどっちがおすすめ?
・傷跡が残ってしまったときにできること
・鼻尖形成に失敗しないためには
鼻尖形成は鼻先をシャープに整える治療です。術式にはオープン法とクローズ法があり、オープン法は細かいデザインが実現できますが、見えるところに傷ができます。傷跡は半年から1年ほど経つと、薄く目立たなくなります。クローズ法は鼻の孔の中を切るので外観上、傷は見えません。症例によっては、オープン法でないと効果が不十分なことがあります。どちらがおすすめかは、患者様の皮膚や脂肪の厚さ、ご希望の鼻の形態によりご相談させていただきます。傷跡が残ってしまったときは、瘢痕形成や凹みがある場合は注入治療を行うとよいでしょう。鼻尖形成に失敗しないためには、実績のあるクリニックでしっかりカウンセリングを受けてから治療に臨み、術後はスムーズな回復を促すために生活行動にも注意しましょう。