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鼻プロテーゼは鼻スジをシャープに整えてくれる手術。鼻スジに人工軟骨(医療材料であるシリコンプロテーゼ)を挿入しますが、「手術から数年後はどうなるの?」「トラブルが心配」と不安を感じる人もいるようです。
鼻プロテーゼの治療から数年後に起こりうるトラブル、トラブルが起こったときの解決方法、鼻プロテーゼを長持ちさせる方法を、医師が解説します。
鼻シリコンプロテーゼはpolydimethylsiloxaneといういわゆるシリコンと呼ばれる化合物から生成されています。シリコンは、コンタクトレンズやシャンプー、または消化管のガス除去の治療や食品添加物(消泡剤)として用いられており、人体に全く無害な物質です。シリコンは強度を自在に変化させることが可能であり、外鼻形成においては、high soft siliconと呼ばれる硬度が低く柔らかな固体型のシリコンインプラントが現在では主に使用されています。シリコンは自然に吸収されることがないため効果は半永久的です。一方で、「プロテーゼの寿命は20~30年」という話や、「鼻プロテーゼを挿入して数年後にトラブルが起きた」といった例も報告されています。これらのトラブルの原因は、プロテーゼの形状、加工方法や挿入する層など医師の技術に問題があったため。ご自身の鼻に合った良質なプロテーゼを無理なく正しい位置に挿入すれば、原則として抜去や入替は不要です。
前述したように鼻のシリコンプロテーゼ自体は無害です。ただし、適切でない形やサイズのプロテーゼを挿入した場合や感染を起こした場合、飛び出しを起こすこともあります。トラブルは数年後とは限らず、術直後や何年も経ってから起こるケースもあります。
鼻プロテーゼの数年後に起こりうるトラブルとして、「鼻プロテーゼがずれる」「鼻プロテーゼが飛び出す」「鼻プロテーゼの周囲に石灰化が生じる」「プロテーゼが感染する」ことが考えられます。
鼻プロテーゼは、ずれたり飛び出したりすることがあります。
原因は、プロテーゼの挿入位置の誤りや、L型プロテーゼの使用によるもの。正しく骨膜下に挿入されていないと、段差が浮き出して見えたり、拘縮によってずれたりします。また、L型プロテーゼを使用したことで鼻先の皮膚が圧迫されると皮膚が薄くなります。薄くなった皮膚からプロテーゼが浮きあがって白く変色したり、皮膚が炎症を起こして赤くなったりします。皮膚が薄くなり過ぎると、軽微な外力やニキビなどが誘因となり、容易に感染を引き起こし、飛び出しにもつながります。
鼻プロテーゼの周囲には被膜ができます。プロテーゼは無害ですが、異物ではあるので、生体の防御反応の一環として被膜に包まれ(カプセル化)安定します。時間の経過とともに被膜が収縮して変形する(カプセル拘縮)ことで辺縁が浮き出すことがあります。皮膚が薄い患者さんに生じる傾向が強く見られます。また、鼻を触れたときに凸凹としたしこりが生じるのは、プロテーゼの石灰化によるものです。被膜の周りにカルシウムが沈着し、石灰化が起こります。石灰化は5年経過時では50%、10年経過時には100%生じるといわれていますが、被膜内で生じる反応であるため、臨床的に問題になることは稀です。インプラントが骨膜下に挿入されずに皮下にとどまった場合、石灰化を生じると、表層の皮膚が刺激を受け、さらに皮膚が菲薄化し、発赤を生じることがあります。このようなことが起きないようにするためには、初回手術時に骨膜下へ正確に挿入することが大切です。
プロテーゼ挿入時に細菌が付いていた場合、術後数日で感染を生じることがあります。
シリコンの挿入部を中心に皮膚が赤く腫れ、痛みがあらわれる、鼻の穴から膿のような液体が出たり異臭がしたりするといった症状は、感染の可能性があります。抗生剤の投与で軽快することもありますが、何度も腫れを繰り返し悪化することがあります。医療器具の滅菌や使い捨て、清潔操作を正しく行っているクリニックでは感染率は高くはありませんが、心配な場合はカウンセリングなどで衛生管理について確認しておくとよいでしょう。
また、シリコンは比較的アレルギーリスクは低いものの、ゼロではありません。腫れや赤みがあらわれたら、すぐにクリニックに相談しましょう。
鼻プロテーゼは抜去や入替が可能です。万が一、鼻プロテーゼで数年後にトラブルが起こったときは、技術のあるクリニックで修正を依頼するとよいでしょう。
感染を起こしている場合は、抗生剤を投与しても被膜の内側に存在するシリコンには届きません。プロテーゼの抜去が必要になります。抜去後に再挿入をするには、感染が落ち着くまで時期を空けましょう。
鼻プロテーゼを長持ちさせるには、リスクの高いL型プロテーゼは避け、実績のあるクリニックを選びましょう。
L型プロテーゼはおすすめしません。L字の角が鼻先の皮膚に圧をかけるため、皮膚が薄くなり飛び出しのリスクが高まります。既にL型が入っている場合は、I型への入替を行うとよいでしょう。また、鼻先は表情に伴い動く部位ですが、L型プロテーゼでは鼻先が動かないため、不自然な印象を招きます。
施術は実績のあるクリニックで受けましょう。鼻プロテーゼのトラブルを避け長持ちさせるには、技術力があり、安全な材料を扱うクリニックを選ぶことが重要です。ホームページなどで医師の経歴をチェックし、鼻プロテーゼの症例写真が沢山あるところ、自分と似た状態の鼻プロテーゼの症例があるところを選びましょう。信頼できるクリニックで事前カウンセリングを受け、飛び出しや感染などのリスクについて、納得いくまで説明を受けることをおすすめします。
イセアクリニックでは、美容外科の経験が豊富な形成外科専門医が治療にあたります。プロテーゼは安全な品質のものを使用し、お一人お一人に合わせた形に整えて挿入します。症例も多数掲載しておりますので、ご確認ください。
当院は、形成外科専門医が常駐し、数多くの手術を扱うなどの条件をクリアし、日本形成外科学会から教関連施設としての認定を受けている実績のあるクリニックです。医療機関としての衛生管理も徹底しております。
ご不明な点がございましたら、イセアクリニックのカウンセリングは何度でも無料ですので、納得いくまでご相談ください。
鼻プロテーゼの数年後に関するよくある質問にお答えします。
答え
鼻プロテーゼの効果は半永久的です。ただし、適切でない形やサイズのプロテーゼを挿入した場合やアレルギーを起こした場合は、炎症を起こしたり、飛び出したりすることもあります。
答え
鼻プロテーゼは抜去や入替が可能です。技術のあるクリニックで修正を依頼するとよいでしょう。感染を起こしている場合は、抜去後に感染が落ち着くまで時期を空けて再挿入する必要があります。
答え
鼻プロテーゼは抜去や入替が可能です。技術のあるクリニックで修正を依頼するとよいでしょう。感染を起こしている場合は、抜去後に感染が落ち着くまで時期を空けて再挿入する必要があります。
今回は以下の内容について説明いたしました。
・鼻プロテーゼの寿命は何年?
・鼻プロテーゼの数年後はどうなる?
・鼻プロテーゼの数年後に起こりうるトラブル
・万が一鼻プロテーゼで数年後にトラブルが起こったときの解決方法
・鼻プロテーゼを長持ちさせるには
・イセアクリニックの鼻プロテーゼ
鼻プロテーゼの寿命は、半永久的です。数年後にトラブルが起こるのは、主にプロテーゼの質や医師の技術不足によるもの。トラブルには、プロテーゼのずれや飛び出し、被膜形成、石灰化、アレルギーや感染があります。トラブルが起こった場合は抜去や入替、感染があれば落ち着いてから再挿入を行います。鼻プロテーゼを長持ちさせるには、L型プロテーゼを避け、技術や実績のあるクリニックでの治療をお勧めします。