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  • エラボトックスの効果のピークを医師が解説

    投稿日:
    2021/11/05
    エラ エラボトックス ボトックス
    大山 希里子医師
    著者
    東京イセアクリニック
    皮膚外科医
    大山 希里子

    Shere

    エラボトックスとは                                 

    ボトックスとはボツリヌス菌が作るたんぱく質「ボツリヌスストキシン」を加工して作られた薬のこと。

    「ボトックス」という呼び名はもともとアラガン社製の製剤の商品名ですが、一般に他社の製品も含め「ボトックス」と呼ばれています。


    ボトックスを注入すると神経に取り込まれ、脳から筋肉を動かす指令を伝える神経伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑えます。

    アセチルコリンが抑えられることで、筋肉の動きも抑えることができます。

    使われなくなった筋肉は委縮します。


    エラボトックスは、張り出したエラの筋肉(咬筋)にボトックスを打ち、小顔効果を期待する治療です。

    過剰に発達した咬筋にボトックスを注入することで、咬筋の動きが抑えられ、咬筋が徐々に小さくなります。


    更に、歯ぎしりでお悩みの方も、これを軽減させることができます。

    過度な咬筋の発達による歯ぎしりもエラボトックスにより改善が見込めます。

    エラボトックスで効果が現れるまで

    エラボトックスの小顔効果が完成するのは約1か月後です。

    注入後数日してからだんだんと咬筋の動きが悪くなり、使わなくなった筋肉が徐々に痩せていくため、10日~2週間後くらいからエラが小さくなっていきます。

    一般的に3~4週間ではっきりとした小顔効果が現れますが、効果の現れかたには筋肉量など個人差があります。

    エラボトックスの効果のピーク

    エラボトックスの小顔効果は約2~4週間後にピークを迎えます。

    数日後から咬筋の動きは悪くなりますが、使われなくなった筋肉が萎縮して小さくなるまでに約2週間かかります。

    その後、筋肉を動かす指令を伝えるアセチルコリンの分泌が徐々に回復して筋肉が動くようになり、注入後6か月くらい経つと、エラの張りもほぼ元の状態に戻ります。

    エラボトックスの効果が続く期間   

    エラボトックスに期待される美容上の効果は小顔ですが、ボトックスの体に対する直接的な効果は筋肉を動かしにくくすることです。

    効果の程度には個人差がありますが、注入数日後から筋肉が動きにくくなり、注入3か月後くらいから徐々に筋肉の動きが戻るため、エラボトックスの効果が続く期間は平均で3~4か月です。

    美容上の小顔効果としては1か月後から3~4か月後までで、永久に続くものではありません。

    エラボトックスの量と効果の関係

    ボトックスの注入量は「単位」で示されることが多く、1瓶は100単位(4㏄)です。

    エラボトックスの目安となる注入量は片側30~40単位程度。

    少な過ぎると効果があらわれませんが、多いほど効果が長続きするわけではありません。

    控えめからはじめて、1週間後に効果が全く感じられなければ追加注入するのがおすすめです。

    エラボトックスの理想的な注入頻度

    エラボトックスで小顔効果を維持するための理想的な再注入のタイミングは、初回注入は3~4か月後。

    エラボトックスの効果が薄れて咬筋の動きが回復してきた頃に再注入を重ねることで、筋肉の張りが戻りにくくなるため、徐々に注入間隔を空けるとよいでしょう。

    次第に間隔を空けながら、半年から1年サイクルで5~6回注入するうちに、すっきりとしたフェイスラインを維持しやすくなります。

    エラボトックスの効果を長続きさせるためには

    エラボトックスの効果を長続きさせるための方法として、「続けて打つと戻りにくくなる」特性を利用する、「注入量を多めにする」、「術後の生活に注意する」などが挙げられます。

    続けて打つと戻りにくくなる

    エラにボトックスを打つと咬筋が動きにくくなるため、寝ている間に無意識に行われている歯ぎしりや食いしばりも抑えられます。

    咬筋は筋肉なので、使わなければ委縮します。

    何度も続けて打つうちに咬筋が委縮し、以前のように歯ぎしりや食いしばりをしようとしたときに、力が入りにくくなります。

    薬剤の効果が切れた後でも、咬筋に力を入れる癖が現れなければ、エラが発達しにくくなり、以前の状態に戻りにくくなります。

    注入量を多めにする

    ボトックスは量が多ければ効果が長続きするということはありませんが、量が少ないと十分な効果が得られないことがあります。

    ただし、過剰な注入にはリスクも伴います。

    そのため、初回は控えめに注入し、注入後1週間以上経過してから、筋肉の変化を見て必要に応じ追加注入を行うとよいでしょう。

    術後の生活に注意する     

    エラボトックス後も注意が必要です。

    治療後の生活次第では、効果が弱まってしまうことがあります。

    ボトックスは熱に弱い性質があるため、エラボトックス後はサウナや長風呂、汗をかくような運動は控えたほうがよいでしょう。

    また、注入前と同様に顎を使う生活、例えば硬いものをたくさん食べる生活を続けていると、咬筋を使うために戻りが早くなってしまう可能性があります。

    技術力のあるクリニックを選ぶ

    エラボトックスの効果は医師の知識や技術に左右されます。

    残念ながら全ての医師が顔の筋肉や神経の細かな位置を把握しているわけではありません。

    注入部位や量を誤り、また違う筋肉へ作用すると、口を開けにくくなったり、表情が不自然になったり、物を噛みづらくなることもあります。

    解剖学を熟知した医師であれば、注射を打つ位置、深さ、向き、量、バランスを見極めて施術を行うことができます。

    ホームページなどで、医師の経歴や症例実績などを確認して信頼できるクリニックで治療を受けることをおすすめします。

    エラボトックスに関するよくある質問

    エラボトックスに関するよくある質問にお答えします。

    エラボトックスはやめるとどうなる?  

    【答え】

    エラボトックスの効果は永久ではありません。

    注入して3か月後くらいから徐々に筋肉の動きが戻ります。

    効果が消える前に再注入することで、元に戻りにくくなります。

    エラボトックスは効果を感じるまで何回必要?

    【答え】

    エラボトックスは初回から効果を感じることができます。

    数日後から筋肉が動きづらくなり、1か月後くらいから小顔効果を実感し始められるでしょう。

    エラボトックスの効果を感じられない人もいる?

    【答え】

    脂肪や骨格が原因で顔の大きさが気になる人、咬筋が発達していない場合は、エラボトックスの効果は期待できません。

    まとめ

    今回は以下の内容について説明しました。

    ・エラボトックスとは

    ・エラボトックスで効果が現れるまで

    ・エラボトックスの効果のピーク

    ・エラボトックスの効果が続く期間

    ・エラボトックスの量と効果の関係

    ・エラボトックスの理想的な注入頻度

    ・エラボトックスの効果を長続きさせるためには

    エラボトックスとはエラの咬筋にボトックスを注入することで、咬筋が徐々に小さくなることを利用して小顔効果を狙った治療です。

    エラボトックスで小顔効果が現れるまでは約1か月、効果のピークは2~4週間後、効果の持続は約3~4か月です。

    エラボトックスは基準となる量があり、増量しても効果が増すわけではありません。

    理想的な注入頻度は初回は3~4か月後、徐々に間隔をあけて、半年~1年ペースで行います。

    エラボトックスの効果を長続きさせるためには続けて打つ、注入量を見ながら追加する、術後の生活に気をつけるとよいでしょう。

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    皮膚外科医 大山 希里子
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