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ヒアルロン酸注入は製剤を皮下に注入することでボリュームを出したり理想の形に整えたりできる治療です。
顎のボリュームダウンや形に悩む人が、顎をボリュームアップしたい、シャープにしたい、前に出してEラインを整えたい、でも外科治療は痛みや腫れなどダウンタイムが心配などの理由で選択しています。
さまざまな製剤がありますが、顎への注入には硬めの製剤が適しています。
ヒアルロン酸を注入するメリットは、「ダウンタイムの症状が軽い」「細やかな調整・やり直しができる」「アレルギーが起こりにくい」ことです。
ヒアルロン酸注入のダウンタイム症状には小さな腫れや内出血がありますが、症状は比較的軽めで、術後の腫れはほとんど気になりません。
内出血は稀で、万が一出たとしても1~2週間でおさまります。
マスクはもちろん、翌日からメイクも可能なので、腫れや内出血はコンシーラーやファンデーションで隠すことができます。
ヒアルロン酸注入は局所麻酔下の目が覚めた状態で行われます。
製剤を少量ずつ何回かに分けて注入することで、患者様ご自身に鏡で仕上がりを確認していただきながら治療を進めることができます。
なので、いきなり入れすぎてしまうなんてことはございません。
また、万が一注入後の仕上がりがイメージと違った場合や気持ちが変わった場合、元に戻したい場合は、ヒアルロン酸を分解する薬液「ヒアルロニダーゼ」を注入することもできます。
美容治療の中には、プロテーゼなどの医療材料、つまり異物を身体に入れるものもありますが、ヒアルロン酸はもともと人体を構成する成分であるため、アレルギーが起こりにくいというメリットがあります。
現在主流となっている製剤は非動物性のため、感染リスクも低くなっています。
ヒアルロン酸注入のデメリットは「僅かだがダウンタイムで内出血や違和感がある」「効果が薄い、すぐに消えてしまう可能性がある」「でこぼこ・膨らみ過ぎになる可能性がある」「打ち続けなければならない」などです。
ヒアルロン酸を顎に注入した後は、外科治療ほどのダウンタイムはありませんが、軽い内出血や違和感があります。
内出血は色味だけの問題なので、上からメイクすることでカバーでき、違和感は他人にはまず気づかれず、日常生活にほとんど支障はありません。
ヒアルロン酸は顎の皮下に注入しますが、皮膚の状態によっては注入のためのスペースが不十分で、思うように形成できない場合があります。
また、製剤によっては柔らかすぎず滲んで広がってしまい、形がキレイに仕上がらずただ輪郭がぼやけてしまう可能性があります。
医師の技術不足や患者様の筋肉の状態により、ヒアルロン酸を注入後の仕上がりがでこぼこしたり膨らみ過ぎたりする可能性がありますが、顎は比較的でこぼこしづらい部位です。
過去にヒアルロン酸を注入したことがある場合やプロテーゼを挿入していた場合は、皮下に袋状の被膜が形成されて、でこぼこする可能性があります。
その場合はダーゼでヒアルロン酸製剤を溶解し、被膜内の癒着を数か月待ってから、再度製剤を注入することで対応することもできます。
ヒアルロン酸は時間と共に徐々に体内に分解・吸収される性質があり、持続期間は製剤の種類や個人差により数か月から2年程度です。
繰り返し注入することで被膜が形成され、持続時間が長くなる傾向にありますが、きれいな状態を保ちながら効果を持続するには、吸収され切る前にこまめに打ち続けなければなりません。
ヒアルロン酸以外で顎を形成する治療法には、「脂肪注入」や「プロテーゼの挿入」があります。
それぞれの概要を紹介します。
脂肪注入:ご自身の脂肪を採取して処理した後に顎に注入します。
自己組織のためアレルギーの心配がありません。
脂肪は4~6割定着するので、ヒアルロン酸に比べ効果が長持ちします。
腹部や大腿部などの脂肪採取箇所にダウンタイムが生じ、傷が残ります。
プロテーゼ挿入:人間の軟骨に似た、心臓の手術にも使用されている医療材料であるシリコンプロテーゼを、口の中を切って挿入します。
傷は口の中なので外からは見えません。
1回で半永久的な効果が得られます。
ヒアルロン酸では難しい、繊細なデザインやしっかりとした高さを出すことも可能です。
顎のヒアルロン酸注入について「顎を出す、Eラインを整えるための注入」「顎をシャープにするための注入」といった目的別に注意点を紹介します。
顎を出す場合は、下向きではなく斜め前に出すことにより、Eラインが整います。
ただし、もともと顎下が長い方にはお勧めしません。
また、アゴを出しすぎるとしゃくれた印象になるので、やりすぎないことが大切です。
注入が少なすぎても効果が得られませんが、注入しすぎると顎が大きくなるため、シャープさが失われてしまいます。
また、製剤は硬さが増すほど料金が高くなる傾向がありますが、成形には硬い製剤が適しています。
ヒアルロン酸注入後の仕上がりは、医師の技術に左右されます。
事前にクリニックのホームページに掲載されている医師の症例などでデザインや仕上がりを確認しておきましょう。
メリット・デメリットを知ったうえで、継続治療も視野に入れ、口コミなども参考にしながら、納得できるクリニックや医師を選びましょう。
顎のヒアルロン酸注入に関するよくある質問にお答えします。
[答え]
ダウンタイムはほとんどありませんので、翌日からお仕事可能です。
注射の跡や内出血、腫れが出た場合、ファンデーションやコンシーラーでカバーできます。
いずれにせよ、コロナ禍ではマスク着用が必須なので、簡単に隠すことができます。
[答え]
男性の治療も可能です。
女性が顎の先端1ヵ所に注入するのに比べ、男性は幅広い顎を作るために左右2か所に注入するなど、デザイン希望に応じた治療を行えます。
[答え]
顎のヒアルロン酸注入の持続期間は、個人差はありますが約1~2年です。
硬い製剤を使うことが多いので他部位のヒアルロン酸より長持ちしやすいです。
徐々に吸収されることを考えると、半年から1年ごとに製剤瓶1~数本注入するとよいでしょう。
この記事では以下のことについてご説明しました。
顎のヒアルロン酸注入では、主にボリュームアップや成形を目的としています。
メリットとしては、「ダウンタイムの症状が軽い」「細やかな調整・やり直しができる」「アレルギーが起こりにくい」こと、デメリットとしては「ダウンタイムに内出血や違和感がある」「効果が薄い、すぐに消えてしまう可能性がある」「でこぼこ・膨らみ過ぎになる可能性がある」「打ち続けなければならない」といったことが挙げられます。
ヒアルロン酸以外の選択肢としては、「脂肪注入」や「プロテーゼの挿入」があります。
顎のヒアルロン酸注入は、もともと顎下が長い方にはおすすめしません。
また、アゴを出しすぎるとしゃくれた印象になってしまいます。
注意点としては、「顎を出す、Eラインを整えるための注入」「顎をシャープにするための注入」ともに、やりすぎないことがポイントです。