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  • 額のヒアルロン酸注入で頭痛?!原因と対処法を医師が解説

    投稿日:
    2021/10/06
    おでこ ヒアルロン酸 リスク 副作用 額ヒアルロン酸
    大山 希里子医師
    著者
    東京イセアクリニック
    皮膚外科医
    大山 希里子

    Shere

    ご覧いただきありがとうございます。
    東京イセアクリニックの皮膚外科医、大山です。


    額へのヒアルロン酸注入後に頭痛が酷いときにはどうするのが正解でしょうか。

    ヒアルロン酸注入による頭痛が起こる理由、頭痛が続く期間、頭痛が起こったときの対処法、額のヒアルロン酸注入に失敗しないためにできることなどを紹介します。

    ヒアルロン酸注入による頭痛はなぜ起こる?  

    額へのヒアルロン酸注入による頭痛が起こる理由には、「動脈塞栓」「感染」「体質に合わない」「注入量が多かった」などが挙げられます。

    動脈塞栓

    ヒアルロン酸を動脈内に注入してしまった場合、血行障害を起こし、数時間で皮膚は紫や赤に変色し痛みを生じます。

    そのままにしておくと凹みや赤みが残るほか、皮膚が壊死して瘢痕になるなど、見た目にもダメージが残ります。

    強い痛みなどの症状があらわれた場合、速やかに医療機関にご連絡ください。

    感染

    ヒアルロン酸を注入した箇所から細菌が入ると、感染を起こすことがあります。

    感染した場合、注入部に熱感、痛み、腫れ、赤みなどの症状が現れます。

    この場合、抗生剤の投与が必要になります。

    さらに悪化すると膿が生じ、メスや針で切開して排膿する必要が出ることもあります。

    症状があらわれたら、直ちに医療機関にご相談ください。

    体質的に合わない

    ヒアルロン酸自体は人体に含まれる成分ですが、製剤によっては稀にアレルギーを起こす方もいます。

    注入直後、あるいは数日から2週間の時期に、赤み、腫れ、熱感、痛みなどのアレルギー症状があれば、原因となるヒアルロン酸を取り除き、抗アレルギー剤による治療が必要ですので、医療機関にご連絡ください。

    注入量が多かった

    注入したヒアルロン酸が多い場合、顔にある感覚神経を圧迫してしまうことで頭痛が生じる可能性があります。

    注入後の一時的な腫れが引くことで改善がみられる可能性もありますが、ヒアルロン酸の周りにコラーゲンの被膜ができて、圧迫による頭痛が悪化する可能性もあります。

    また、皮膚が膨らみすぎて血流が悪くなることで、皮膚壊死を起こす可能性もあります。

    その場合、ダーゼを注入してヒアルロン酸製剤を分解し減量することで圧迫を取り除くことができます。

    額のヒアルロン酸注入による頭痛はいつまで続く?

    通常のダウンタイム症状であれば、注入部位に筋肉痛に似た鈍痛が数日続く程度で徐々に治まります。

    アレルギー、動脈塞栓、注入量が多かった場合は、原因となるヒアルロン酸製剤が取り除かれない限り、額の痛みが続き、症状が悪化します。

    特に動脈塞栓や注入量過多よる圧迫では、激しい痛みが生じます。

    頭痛が起こった時どうすればいい?

    頭痛が起こった場合、できることとしては、医療機関への相談・受診やヒアルロン酸分解注射を打つことなどが挙げられます。

    ヒアルロン酸以外の原因でないことを確認する

    頭痛が起こる原因はさまざまです。

    たまたまヒアルロン酸注入後に、ヒアルロン酸以外が原因で頭痛が起こることもあります。

    普段と異なる頭痛や吐き気を伴うなどほかの症状がある、どんどん増悪するようであればすぐに医療機関を受診してください

    まずクリニックに相談・受診する

    強い頭痛が続く場合は、まずクリニックに相談しましょう。

    動脈塞栓や注入量が多かった場合は、見た目はもちろん、時間で回復することがほとんどです。

    いずれの場合も、直ちに医療機関にご相談ください。

    ヒアルロン酸分解注射を打つ     

    診察の結果、ヒアルロン酸が原因であることが分かれば、ヒアルロン酸製剤を分解するダーゼを額に注入します。

    動脈塞栓や圧迫であれば、原因となるヒアルロン酸が除かれることで血流が回復し、症状は落ち着きます。

    アレルギーの場合はダーゼの他に、必要に応じて抗アレルギー薬での処置を施します。

    額のヒアルロン酸注入に失敗しないためには  

    額のヒアルロン酸注入に失敗しないためには、

    カニューレを使用しているクリニックを選ぶ」こと、「適切な注入量を守る」こと、「実績の多いクリニックを選ぶ」ことがポイントです。

    カニューレなどを使用しているクリニックを選ぶ

    動脈塞栓を避けるには、細い針ほどリスクが高いため、先の丸い柔らかいカニューレを使用しているクリニックを選ぶとよいでしょう。

    カニューレを用いると、薬液が一つの穴から多方向へ注入できるため、たくさん針を刺す必要がなくなり、動脈塞栓だけでなく、感染や痛み、内出血も抑えることができます。

    適切な注入量を守る

    注入量が多くなる理由は、デザインや安全性を見極められない医師の技術不足もあります。

    神経を圧迫するほどの量を入れると、見た目にも不自然です。

    一般的な額へのヒアルロン酸注入量は1~4㏄程度です。

    美しい仕上がりを手に入れるには顔全体のバランスを見ながら、適切な注入量を守ることがポイントです。

    実績の多いクリニックを選ぶ

    ヒアルロン注入の仕上がりは医師の技術に左右されます。

    治療を受ける前に、ホームページなどで医師の実績や症例を見て、デザインや仕上がりを確認しておきましょう。

    カニューレの使用やダーゼについてなど、安全への取り組みも掲載されていると安心です。

    施術に伴うリスクについて不安があれば、カウンセリングなどで納得がいくまで相談し、納得してから治療を受けるべきです。

         

    額のヒアルロン酸注入に関するよくある質問  

    額のヒアルロン酸注入に関するよくある質問にお答えします。

    やりすぎない

    ヒアルロン酸の注入を繰り返すうちに、過剰な注入により不自然な「ヒアルロン酸顔」になってしまうことがあります。

    時間の経過とともに吸収される量を想定し、適量を注入するようにしましょう。

    注射は痛いですか?

    当院では神経ブロック麻酔をし、麻酔が効いてからヒアルロン酸製剤の注入を行います。

    注射はチクリとしますが、不安が強ければ補助的に笑気麻酔を吸入することもできます。

    ふわふわとした気分になり、注入の痛みも緩和されます。

    額へのヒアルロン酸注入による失敗はありますか?  

    額への注入は比較的失敗が少ないと言われていますが、左右差が目立つ、凸凹が生じる可能性はゼロではありません。

    額の形は骨格、筋肉や脂肪のつきかた、髪の生え方によって決まるため、左右同様に注入しても仕上がりは同じにはなりません。

    バランスを見ながら注入をしていきますが、特に皮膚が薄い方は左右差や凸凹が目立ちやすい傾向にあります。

    不安があれば、カウンセリング時にご相談ください。

    まとめ

    今回は以下の内容について紹介しました。

    ヒアルロン酸注入による頭痛はなぜ起こる?

    額のヒアルロン酸注入による頭痛はいつまで続く?

    頭痛が起こったときどうすればいい?

    額のヒアルロン酸注入に失敗しないためには?

    額へのヒアルロン酸注入では、頭痛が起こることがあります。

    頭痛の理由としては、「動脈塞栓」「感染」「体質に合わない」「注入量が多かった」などが挙げられます。

    そのままにしておくと皮膚壊死やアレルギーなど危険な状態になることもあるため、注入後の頭痛が激しい場合、持続する場合、強くなっていく場合などは医療機関に相談・受診すべきでしょう。

    失敗を避けるには、カニューレを使用しているクリニックや実績のあるクリニックを選ぶこと。

    そして、自然な仕上がりに適した注入量を守ることがポイントです。

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