2019年11月5日
もうムダ毛の処理に追われたくない。お手入れ不要の「永久脱毛」を完了させるには、どのくらい通えばよいのでしょう。「脱毛完了〇回」「回数無制限」などの広告を見かけますが、具体的には何回?何年?ペースは?毛の生え代わるサイクルや脱毛のメカニズムとともに紹介します。
脱毛には医療脱毛やエステ脱毛がありますが、そもそも「永久脱毛」ができるのは医療脱毛だけです。
永久脱毛ができる仕組みを、医療脱毛とエステ脱毛の違いからみていきましょう。
医療脱毛はクリニックで行われている脱毛のこと。もっとも一般的なものは「レーザー脱毛」です。
【図1】医療脱毛のメカニズム
レーザーは、黒いものに反応します。脱毛機から出るレーザーは黒い毛に反応し、レーザーの熱が毛から毛根や周囲の皮膚まで伝わり、毛根を破壊します。毛はただ抜くだけでは再び生えてきますが、毛を生む細胞や発毛指令部位の細胞が壊されると、基本的は再生されません。そのため、医療脱毛では永久脱毛の効果が得られるのです。
医療脱毛では1度に約20%のムダ毛を対象に、数ヶ月ごとのサイクルで施術を行うため、脱毛完了までの回数は5回程度(20%の毛×5回の施術=100%脱毛)、期間としては約1年かかります。
エステ脱毛はエステサロンで行われている脱毛のこと。中でも医療脱毛と比較され、混同されやすいのは「光脱毛」です。細胞を破壊する永久脱毛は医療行為のため、クリニックで医療知識を持つ国家資格者を置く必要があります。
【図2】エステ脱毛のメカニズム
エステサロンでは医療行為が行えないため、エステ脱毛のマシンは発毛組織や発毛指令部位の細胞を破壊せず、ダメージを与えることのできる程度に出力が抑えられています。結果として、永久脱毛の効果はありませんが、毛量を減らして毛を薄くし、生えにくくする抑毛効果や減毛効果が期待されます。
こまめに施術を繰り返すことで生えにくくなり、一旦は脱毛が完了することもありますが、再び生えてくることもあります。エステ脱毛が「永久保証」「回数無制限」というサービスを打ち出していることが多いのは、また生えてくることを前提にしているためです。
エステ脱毛は医療脱毛に比べ照射出力が弱い分、医療脱毛の2~3倍の回数と期間が必要になります。
永久脱毛完了までは、医療脱毛を5回、1年程度が目安です。
1章でも述べたように細胞を破壊するのに、なぜ20%の毛しか対象とせず、5回も施術が必要なのでしょうか。
すべての毛には毛周期と呼ばれる成長サイクルがあります。成長期→退行期→休止期を経て、再び成長期に戻る、このサイクルを繰り返しています。
レーザー脱毛で効果が得られる毛は成長期の毛のみ。すべての毛の中で成長期にあるのは約20%です。毛周期は部位によりばらつきがありますが、概ね2ヶ月毎に5回照射を繰り返すことで、すべての毛にレーザーをあてることができます。これが永久脱毛が1回で完了しない理由です。
脱毛の仕組みが理解できたら、毛周期に合わせた数ヶ月毎のサイクルで計画的に脱毛をうけたいですね。その他にも、保湿や紫外線対策など、ホームケアで脱毛効果を高めることもできます。1年後、さらにその先もずっとムダ毛のないキレイな肌で過ごすため、今できることに取り組みましょう。
■保湿をこまめに行う
乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、トラブルを起こしやすい状態を招きます。
レーザーを照射すると毛根周囲の皮膚に熱が伝わり、少なからず肌の水分量が減り、乾燥を招きます。乾燥した状態は、痛みを感じやすく、出力を下げざるを得ません。あらかじめ十分な保湿ケアを行うことで、十分な照射が受けられ、皮膚トラブルを避けることにつながります。
■紫外線対策を行う
日焼けは肌がやけどを起こした状態です。赤くなりヒリヒリした状態のときは、炎症を起こしているため冷やし、肌が落ち着いてきたら水分を補います。
日焼け後の肌にはメラニン色素が増えています。レーザーは黒い色のメラニン色素に反応するため、照射の際に痛みを感じやすい状態です。
紫外線対策として、日焼け止めをこまめに塗る、日傘をさす、日よけの手袋や長袖を着用する、などの行動を習慣化しましょう。
日焼けや肌荒れは肌を傷めることもあるため、脱毛を見送ることもあります。顔の手入れと同様、体も日常的にケアしましょう。
永久脱毛は5回の施術、完了まで1年程度で実現できます。カウンセリングやテスト照射で肌質や毛質、毛量などを確認してもらい、最適なプランについて相談してみましょう。医療脱毛で、1年後にはスベスベの肌を手に入れたいですね。